医療連携体制加算について

▼医療連携体制加算とは

医療連携体制加算とは、協力医療機関のドクターの指示の元、看護師・准看護師・保健師を事業所等に訪問し利用者に対して看護の提供、または認定特定行為業務従事者に対し喀痰吸引等に係る指導を行った場合加算されるものです。

(Ⅰ)医療連携体制加算・・・500単位
  ↳看護師1名が利用者1名に医療的ケアを行った場合

(Ⅱ)医療連携体制加算・・・250単位
  ↳看護師1名が利用者2名~8名に医療的ケアを行った場合

(Ⅲ)医療連携体制加算・・・500単位
  ↳看護師が介護職員等にたんの吸引等に係る指導のみを行った場合

(Ⅳ)医療連携体制加算・・・100単位
  ↳研修を受けた介護職員がたんの吸引等を実施した場合

上記のうち、「(Ⅱ)医療連携体制加算・・・250単位」が当該医療連携による算定に適用となります。

注意点

①(Ⅰ)医療連携体制加算については、医療連携等との連携により、看護職員を指定就労支援事業所等に訪問させ、当該看護職員が利用者に対して看護を行った場合に当該看護を受けた利用者に対して1日につき所定単位数が加算されます。

②(Ⅱ)医療連携体制加算については、医療機関等との連携により、看護職員を指定就労支援事業所等に訪問させ、当該看護職員が2名以上の利用者に対して看護を行った場合に当該看護を受けた利用者に対して1回の訪問につき8名を限度として1日につき所定単位数が加算されます。

▼医療連携体制加算を導入する背景

医療連携体制加算を導入する背景には、医療と連携し障がい者の「二次障がい(*1)を防ぎたい)という思いがあります。厚生労働省の平成30年度「過労死等の労災補償状況」によると精神障がいの労災補償の請求件数が増えており、自殺件数も増加傾向にあります。
健常者で一般就労をしている人たちがそのような状況の中、福祉事業所に就労する利用者(障がい者)は、なお一層のケアが必要です。事業所のスタッフは福祉のプロですが、医療との連携を深めることで利用者への支援の幅は大きく広がっていきます。

(*1)二次障がい・・・後天的に精神障がい等を発症すること。うつ病や不安障害・自立神経失調症等があげられる。

▼医療連携体制加算を導入するメリット

看護師が日々訪問し、ドクターの指示のもと「メンタルケア」を行った場合に以下のようなメリットがあります。

①利用者のストレスケア
日々ストレスケアを行うことによりセルフマネジメント能力が向上すれば、安定出勤が見込まれ、生産性の向上や一般就労後の定着にも繋がっていきます。

②職員の業務負担の軽減
日々の業務の中で利用者から「精神面での相談」や「体調不良での相談」等が多々あると思います。そのような相談を今まではすべて相談員の方が聞き対応していたと思いますが、医療連携体制加算を導入することで看護師が訪問し相談を聞き対応していくため相談員の方の負担軽減が見込まれます。

③サービス管理責任者の支援拡大
看護師が日々訪問し、利用者の一人ひとりに話を聞き医学的な根拠をもとにサービス管理責任者に対してご報告をするため、今まで以上に利用者についてのアセスメントを所得することができ、支援の幅が広がります。

▼医療連携体制加算の所得までの流れ

①協力医療機関との契約及び、看護ステーションとの業務委託契約書を締結する。

②個人情報同意書の所得。(利用者様の同意を以て医療機関に情報提供するため)

③療連携が必要な人たちの情報を協力医療機関から送られてくる「情報提供シート」に入力する。

④ピックアップされた方の以下の書類(情報)を用意し、協力医療機関に送付する。
・ストレスチェックシート
・個別支援計画書
・フェイスシート(利用者の日常生活がわかる資料)
・情報提供シート(協力医療機関から送られてくるシート(エクセル)で施設や利用者の情 報を記載して頂かなければなりません。)

⑤指示書が発行される。(④の書類を頂いてから約2週間で指示書が発行されます。)

⑥指示書を元に個別支援計画書の変更を行う。

⑦看護師と今後の支援についての打合せ。
・利用者一人ひとりの状況について
・医療連携を行う場所について   …等

⑧看護師より「看護計画書」を受け取る。

⑨支援開始

(1)ご訪問

(2)サービス管理責任者などに対してのご挨拶及び利用者の状況についてのヒアリング

(3)利用者に対して支援(1人約5分となります。)
 (看護記録表に状況などを記入致します。)

(4)支援終了後、サービス管理責任者などに対してご報告及び。看護記録表をお渡しする。

(5)1ヶ月終了すれば「報告書」を看護ステーションから受け取る。

※注意

Ⅰ,重要事項説明書に、「医療連携体制加算」についての料金説明の記載がない場合は「重要事項説明書の変更の案内」に利用者の方に署名して頂く必要がございます。

Ⅱ,追加で利用者の指示書を依頼したい場合は、協力医療機関にその旨を伝え、「情報提供シート」をもらいご記載頂くと共に、ストレスチェックシート・個別支援計画書・フェイスシートをご用意ください。

▼実地指導対策

今回、医療連携体制加算を取得するにあたっては、他の加算と同じで「なぜ、医療連携体制加算を取得することになったのか(課題の抽出)、「医療連携体制加算を導入して途中経過はどうなのか(モニタリング)」、「医療連携体制加算を取り入れた結果どうだったのか(結果)」を書類に残さなければなりません。

具体的な今回の医療連携体制加算の導入にあたって…

①ストレスチェックシート用いて、課題の抽出の行う。

②ストレスチェックシートや指示書を元に「個別支援計画書」に医療連携について記載する。

③支援が開始すれば、医療連携がどのように利用者の成長につながっているか評価をする。

④医療連携体制加算の必要性があるのであれば、次回の個別支援計画書に反映する。

という流れを組まなければなりません。

なお、具体的に残さなければならない書類は以下の通りとなります。
(1)ストレスチェックシート
(2)指示書
(3)医療連携体制加算を反映した個別支援計画書
(4)医療連携計画書
(5)日々の看護記録表
(6)毎月の報告書
(7)医療連携評価表(毎月が望ましいが、3ヶ月に1度ほどでも可)
(8)次回の個別支援計画書案(医療連携体制加算について内容を盛り込んだもの)  
以上

もちろん、他のケース会議やモニタリングなどについても「医療連携体制加算」の支援内容などについて、盛り込んで頂ければより一層望ましいです。

コメント

  1. こんにちは、これはコメントです。
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